ゴッドファーザー ★★★★☆☆☆

ゴッドファーザー [DVD]

ゴッドファーザー [DVD]

原題:The Godfather (1972)
監督:フランシス・フォード・コッポラ
出演:マーロン・ブランドアル・パチーノジョン・カザール


十数年前に一度見たきりで、内容はほとんど覚えていなかったが、その時はそんなに印象には残らなかった。ガキだったのだろう。十数年ぶりに見た感想は、重厚なうえに緊張がある映画。よかった。長い映画(175分)なのだが、そんな印象はない。あっという間に映画に飲み込まれ、程よい緊張感をずっと感じたままの、3時間であった。疲れが心地よい映画だ。


この作品は第45回アカデミー賞で作品賞を受賞している。マーロン・ブランドは主演男優賞を受賞。私はこの映画での本当の主人公は、アル・パチーノではないかと思っているのだが、審査員の方々はそうは思わなかったようだ。他の人もそうなんでしょうか?はっきり言って、どっちの演技がかっこよいか、巧いか、存在感があるかといえばすべてマーロン・ブランドに軍配は上がる。しかし、ストーリーから言ったら、主役はアル・パチーノではないのか。まあ、どちらでもよいのだが。

コルレオーネ(マーロン・ブランド)ファミリーの三男マイケル(アル・パチーノ)は堅気の生活を送っているが、コルレオーネが銃撃され、長男が銃殺され、結局マイケルがコルレオーネファミリーを引き継ぐことになる。その過程と、ファミリー間の抗争を描いた映画なわけだが、あまりにも簡単に人を殺すので、その部分は気に入らないがメンツや、礼儀、風習などを重んじる気質は見ていて好感を持った。自分の妹に会いに行き、顔に殴られた痕を発見した兄は、その亭主を半殺しにする。半殺し自体はどうかと思うが、でも妹のために無茶をする兄の姿というのは見ていてなかなかだ。

その兄というのがコルレオーネファミリーの長男なのだが、このことがきっかけで、後になって裏切られてしまうわけだが、結局のところ、暴力は暴力しか生まない。復讐のための復讐。またその復讐といったように終わることはない。ファミリーとしてのメンツもあるし、そのうえ麻薬などの利権の問題もあって抗争は泥沼化する。自分の身の安全を守るために、ボディカードをつけたりするが、裏切りにあってファミリーとは関係ない、自分の家族がまきぞいにあって死んだりする。そういうことが日常茶飯事に起きている世界なのだということを知った。現在のマフィアの世界というのが、どうなっているのかはわからないが、この映画と同じようなことが起きている時代があったのだろう。恐ろしいことだ。

情けない次男の役でジョン・カザールが出演している。狼たちの午後id:h_machi:20030129)にもアル・パチーノと一緒に出演しているが、両方ともさえない感じで良いと言うか、悪いというか。
そんなことはともかく名作でしょうな。