遺伝子の選択は許されるか・着床前診断の現実

ある夫婦に子供がいる。その子供は白血球に問題があり、治療をしないと成人になるのは難しいといわれている。しかし、問題があり白血球の型が一致しないと治療をすることが出来ない。これを探すのが非常に難しい。

で、この夫婦が考えたのは、子供をもう一人作って着床前診断を行い、兄の治療を行うことが出来る白血球の型を持った受精卵を選択するということだった。

このテレビを見て知ったことなので間違っている箇所があるかもしれないが、私が理解している範囲で着床前診断を説明しよう。


着床前診断というのは、受精卵から細胞を取り出して、遺伝子の型などを調査して、遺伝子に欠陥などが無いかどうかを調べる技術のこと。であるからして通常の妊娠の時には診断は出来ない。どうするかというと、体外受精を行い、胚になり細胞分裂が始まって少しした受精卵から、細胞を取り出して調査を行う。
調査の結果問題が無ければ受精卵を母体に戻し、子宮に着床するのを待つ。うまくいけば妊娠、出産となる。

これは確実にうまくいく保証は無く、そもそも母体から卵子が取り出せない、受精しない、胚にならない、子宮に戻したが着床しないなど、色々な箇所で失敗の可能性はある。しかし、この夫婦はこの方法にかけた。そして3回目にして無事に出産を行った。


着床前診断というのは以上のようなものなのだが、倫理的にそういう事をして良いのかどうかという議論がされている。
遺伝子の欠陥が調査できるわけだから、遺伝子に欠陥のない子供だけを選択するようになるのではないか(障害者を排除することになるのではないか)、お金がかかる技術なので、金持ちだけが恩恵を受けるようになってしまうのではないか。障害を持っている夫婦が、同じ障害を持った子供を望むのはいいのか、男女の生みわけをしても良いのかなど議論されている。


しかし、実際に自分の子供が同じ境遇だったとして、着床前診断の技術により、子供の命が助かるのであれば、私も間違いなく同じ選択をすると思う。しかし、上記のような問題があることは確かなので、ガイドラインつくりのようなものが必要ではないかと思う。


すごく考えさせられた番組だったが、いい番組だったと思う。