海辺のカフカ

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)


もの凄く久しぶりに村上春樹の小説を読んだ。最後に読んだのは、ねじまき鳥の2冊目(中か?)だったと思う。確か、3冊構成だったと思うのだが、この小説は3冊まとめて出版になったわけではなく、少しづつ間がおかれて出版されたような記憶がある。で、2冊目までは読んだが3冊目を読む前に、理由は忘れたが読まなくなってしまった。
その流れで、カフカが出版された時も何となく読まないでいた。で、しばらく月日は流れるのだが、いつも私に24を貸してくれるAさんに面白いからお勧めだというような事を聞いて読んでみる気になった。


読み始めたら、アッという間に村上ワールドに吸い込まれた。正直それほど期待していたわけではないので、自分でも、この吸い込まれようには驚いた。正確には、ワールドには吸い込まれたのだが、内容的には逆で、ストーリーが体の中の隅々にまで染み込んできたという感じだ。
最近は小説をそんなには読んでいないが、以前はソコソコ読んでいたのではないかと思う。が、小説を読んで、こんな風に感じたのは始めての経験だ。通勤時に読んでいたのだが、涙を堪えるのが大変な場面も何度もあった。色々な感情を、激しく揺さぶられたというのが、全体を通しての私の感想だ。


今まで、私の中の村上春樹作品ナンバーワンは、世界の終わりとハードボイルドワンダーランドであった。何度も、何度も読んだ。だが、カフカを読んで、ランキングは変わった。カフカがナンバーワンだ。そういえば、はっきりと書いていなかったから、書こう。
素晴らしい作品だった。笑いあり、涙あり、考えさせられるところあり、うらやましいところありと、良いところだらけ。
途中でダレたりすることもなく、一気に読めた。あまりに面白くて、読み終わりたくなかったくらいだ。傑作だとおもう。
村上春樹には最高級の賛辞をを送りたい。


本当は、村上春樹の全作品読み直し月間にしたいところなのだが、感情を揺さぶられるので、読んでいて非常に疲れるんだな。なので、しばらくの間、村上作品は休憩にしなければならない。


ともかく面白かったです。