サーフェイサー(1)


イヤイヤ作業していたからなのか、パーツ洗浄が完了するのに3日間かかりました。パーツを部位ごとにバラして、水に浸けてウエットティッシュでこすり(場合によっては歯ブラシ)ティッシュで拭く。これを延々と繰り返します。途中で発狂しそうになりましたが、何とか完了です。


という事で、やっとサーフェイサーを吹き始めました。ここまでも時間がかかりましたが、これからも時間がかかるのかと思うと少々憂鬱になります。が、止まるわけにはいかないので続けます。
パーツ洗浄が完了したパーツはワニグチクリッブ竹串で摘んで台に刺していきますが、ダブルオーライザーはパーツが多いせいか台を3個半使いました。

久しぶりにエアブラシを使用することになるので、ひょっとしたら壊れてしまっているんじゃないか(コンプレッサとかね)と思いましたが、そんな事はなく無事に動きました。
まずはナラシ運転ということで、台に半分刺さっているパーツから始めます。ああ、缶サーフェイサーがあるので、それを使用することも考えましたが、今回は何となく缶はやめてエアブラシで吹くことにします。


私の最近のサーフェイサーの吹き方ですが、まず最初は大ざっぱに吹きます。圧も結構高めで、言葉で言うと「ドバッ」という感じでしょうか。割と適当です。
何故適当でいいのかというと、この段階のサーフェイサーは傷チェック用であって、下地用ではないので、そんなに丁寧に吹く必要はないと考えています。ヤスリもかけるのでほとんどなくなってしまうし。
なので缶のサーフェイサーでも問題ないんですが、やはり缶で吹くと厚ぼったくなるように感じます。缶で吹くときもエアブラシで吹くときも同じ1000番を使用しますが、缶の方が厚くなると思います。濃度の問題なんでしょうか。噴き出す量の問題か?
でも缶で吹くメリットもあります。吹きたいときに、すぐ吹けるという事と(エアブラシの場合は一度吹き始めてしまうと途中で止められない・・・というか放置してしまうと塗料が固まって詰まってしまう)吹いた後の掃除が不要というところでしょうか。

なので、この段階では缶で吹こうがエアブラシで吹こうが大差はありません。まあ、たまたま今回はエアブラシを選択したという事です。


書き始めたので、サーフェイサーの行程について私の手順を書いておきます。以降、延々と書いてあるので不要であれば読み飛ばして下さい。


大ざっぱにサーフェイサーを吹いたところまで書きましたが、このサーフェイサーが乾燥するのを待ちます。が、ただ待ってしまうと時間が勿体ないので、この状態で表面をチェックし、傷や凹がある場合はサーフェイサーを筆塗りします。(凹がひどい場合は瞬間接着剤なども使用)
またここで説明が必要ですね。私が筆塗りで使用しているサーフェイサーは、希釈していないサーフェイサーの原液です。このサーフェイサーは元々接着剤が入っていた瓶の中身を捨ててそこにサーフェイサーを入れてあります。瓶のふたに筆みたいなのがついているので、これで直接塗ってしまいます。ちなみに、この接着剤はタミヤのではありません。タミヤのも筆みたいなのは付いていますが、小さいので使いにくいのではないかと。今、手元にないのでどこの物なのか不明ですが、後日調べて書いておきます。
元々はサーフェイサーを塗料皿に出して筆で塗っていたんですが、掃除が面倒で今のやり方にしています。
ココまでやっておいてから、乾燥を待ちます。


乾燥したらまず、サーフェイサーを筆塗りした部分にヤスリをかけます。この時使用するのは、240か400番です。筆塗りした部分をまずは平坦にして(サーフェイサーが凹に入り込んで平坦になっているはず)表面をチェックします。凹がまだ残っている場合は、また筆塗りをして、乾燥を待って・・・要は平坦になるまで繰り返します。
これで大物の凹はなくなっているはずなので、残るのは小物のみとなります。小物の傷で一番多いのは、荒いヤスリの傷でしょうか。荒いヤスリから細かいヤスリまで順に忘れずにかけていればこんな傷は残らないはずなんですが、まあ忘れてしまうんですな。
これらはヤスリをかけてしまうわけなんですが、私は1000番のヤスリを水に漬けて使用しています。このやり方だと、ヤスリをかけた後の表面は本当にツルツルになります。同じ1000番のヤスリを使用しても、水に浸けた場合と浸けない場合では、ツルツルの加減が違います。断然水に浸けた方がツルツルです。これで消えない傷が残っている場合は、もう少し荒いヤスリをかけたり、再度筆塗りをします。これで大物小物含めて凹や傷はなくなったはずです。


ここからが塗装の下地処理となります。
塗装の下地処理といっても基本的にはサーフェイサーを吹くだけです。でも傷チェック用とは違い、少し丁寧に吹きます。希釈の割合ですがサーフェイサー1に対して溶剤(うすめ液)3にしています。40mlのスぺアボトルにサーフェイサーを10ml入れて、溶剤を30ml入れます。スペアボトルには目盛りがついているから、簡単に作れます。
で、吹くわけですが、私はこの時すごく低圧で吹きます。なるべくホコリが入り込まないように気を使って。ホコリを発見してしまったら、吹くのはそこでやめて乾燥させます。乾燥したらホコリの部分をヤスリやティッシュで軽くこすってやると、たいていキレイにホコリだけが取れます。必要であれば再度サーフェイサーを吹きます。
注意しなければならないのは、一気に吹こうとしないことです。濃度の問題もあると思いますが、1回や2回吹いたくらいでは、色がのっているのは確認できません。しかしここで乾燥を待たずにドンドン吹いてしまうと、ひどいことになります。とにかく焦らずに、薄く、乾燥させて、何回も何回もです。

私も最初の頃悩みましたが、サーフェイサーや塗料を吹くと梨地になってしまう方がいるかと思います。理由はおそらく濃度の問題です。溶剤の量を増やすと改善されるのではないかと。上の方でも書きましたが、私はサーフェイサーだろうが塗料だろうが例外なく1対3の割合です。この割合にしてからは梨地になった記憶はありません。


話を戻しますが、サーフェイサーがムラなく均一に吹けていれば、とりあえずOKです。しかし表面を近くで見ると、ところどころ荒れていないでしょうか。私はここでヤスリを水に浸けて、もう一なでします。ツルツルの状態にして完了とします。


さて、サーフェイサーとしてはこれで完了なんですが、塗装とからめてもう少しだけ。

サーフェイサーが完了した状態ということは、パーツとしてはグレーになっているはずです。
この上から塗装を行うわけですが、赤や黄色などの隠蔽力が弱い色の場合、下地色の影響を受けて暗い色になってしまいます。なので発色を良くするために、サーフェイサーの上から白を吹き、その上から本来の色を吹くということをします。


その方法はいくつかあるので紹介を。

サーフェイサーのかわりにベースホワイトを吹く

確かケンプファーの時に試したような気がしますが、ベースホワイトは下地処理としては有効な気がしますが、傷チェック用としてはイマイチに感じます。
理由はヤスリがかけにくいからです。最後にベースホワイトを試したのは随分前なので、今試してみると違うのかもしれませんが、ベースホワイトが乾燥すると塗装膜が非常に堅くて、ヤスリをかけるとパリパリと膜が壊れてしまい、傷のチェック用には使えないなと判断し、以降使用していません。

今試してみると、違う印象を持つかもしれないので、そのうち試してみます。

サーフェイサーに白の塗料を混ぜる

サーフェイサーの完全なグレーの状態から白を吹いていって完全な白の状態にするというのは、実は結構手間がかかります。
なので、そもそもサーフェイサーが白っぽければ、手間が省けるのではないかと考え、サーフェイサーに白の塗料を混ぜてみたわけです。
もちろん、グレーを白にするよりは良いんですが、完全な白のサーフェイサーではないので、結局白の塗料を吹かなければなりません。
それほど効果を感じなかったので、この方法も現在は採用していません。


結局どうしているのかというと、サーフェイサーの上から白い塗料を吹いて、その上から塗装するようにしています。もう、サーフェイサーと白を吹くのはセットだと考えています。
サーフェイサーの上から白を吹き、その上から本来の色で塗装を行うと、塗装膜が厚ぼったくなってしまいそうですが、大丈夫です。よく表面を見てもわからないと思います。


長々と書いてきましたが、このへんで終わります。この
行程は方法を確立するまでに非常に時間がかかりましたし、ここをちゃんとしておくと、間違いなく完成度は高くなると思います。これからプラモを始める方やエアブラシで初めて塗装を行う方の参考になったらうれしいです。